(# 2-.)

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東カプラさんのそばでぶつかった少年さんに届けものを頼まれてから、
こんなことになるとは全く思ってもいなかったです。

この国のヒミツをプロンテラ神殿のバムブ神父さまから聞いて、
どう受け止めていいのか全くわからないのです。

くれぐれも口外はしないようにと言われて祝福を与えてくださった神父さまとの別れ際。
仲間と神殿から出て行こうとする時にボクは神父さまに呼び止められました。

「もうそろそろ頃合いではないのかな?」
「なにがですか?」
「君ほどの者がいつまでもアコライトというのは、勿体無いと思ってな。」
「……」
「人を助けるためにはもっと力を付けなければならない。」
「……」
「正直に言えば、いつまでもアコライトでは足手まといにもなりかねない。
 人を護る立場の者が、いざと言うとき護られるようでは面目が立たないのでな。」
「……」
「まぁ、考えておいてくれたまえ。そういえば、炭鉱で年端のいかない小さい子が働いているという噂があってな。」
「……それは、ひどいですね。」
「調査の上、事実であれば少年を保護してきてくれたまえ。」
「はい。わかりました。」
「あと、この調査が終るまでに結論を出しなさい」
「……」
「結論が出せないようなら、いろいろ考えなればならないな」

そう言うと神父さまは執務室に戻っていかれました。
いつまでも出てこないボクを心配した仲間が呼びに来られて、 ボクはそのまま呆然と立っていたって事を知りました。

「ごめんなさい。神父さまから教団の用事を頼まれたので、ここで一旦お別れです。
 また戻ってきますから、その時はよろしくお願いしますね。」

ボクは努めて明るく仲間に告げました。

「ワープポタル!!」

あまり詳しい事は聞かれたくなかったので、
ボクは逃げるようにゲフェンの街に向かいました。

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